Research theme
研究テーマ
1|メタ認知トレーニング
メタ認知トレーニング(以下、MCT-Jと記します)は、ドイツ・ハンブルク大学のS.Moritz教授らが考案した、統合失調症患者向けの心理的介入技法です。現在ではうつ病患者向け、強迫症患者向け、個人セッション用のツールが日本語版として紹介されています。主に精神科医療の治療場面において活用されていますが、福祉分野でも活用されています。
これまでに、精神科デイケアにおける有用性の報告やMCT-J満足度調査票の開発に取り組みました。現在は、MCT-Jトレーナー向けの新しいワークショップカリキュラムの開発及び、その有用性の検討を行なっています。また、MCT-Jトレーナーのスキルを客観的に把握するためのレーティングスケールの開発に取り組んでいます。
2|障害者差別解消法の合理的配慮について
2016年に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下、障害者差別解消法と記します)が施行されました。この法律は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的としています。この法律により、対象となる事業者(現在のところ、国公立機関が対象。今後民間機関も対象になります)は「合理的配慮の提供が法的義務となりました。合理的配慮について、まだまだ社会的認識が不十分な状況にあるため、合理的配慮についての研究を行なっています。
これまで、障害者差別解消法施行による差別解消効果の分析やキャンパスソーシャルワークの有用性の検討を報告しています。
Ongoing research
進行中の研究
研究1:MCT-Jの実践に必要と考えられる要因の研究 | この研究では、MCT-Jの実践に必要とされる要因(例えば、参加者へ説明するスキル・グループワークを実践するスキルなど)を明らかにすることを目的としています。 本研究の論文は、次のジャーナルで掲載されました。 ・細野正人・石垣琢麿・池田直矢・水上勝義(2023).多職種を対象としたメタ認知トレーニング日本語版(MCT-J)トレーナー養成に必要な研修内容の検討,文理シナジー, 27, 1, 17-27. |
---|
研究2:MCT-J研修プログラムの有用性の検討 | この研究では、MCT-Jワンデーワークショップの有用性を確認し、さらに有用性を高めるための要因について分析・検討しています。 本研究の論文は、次のジャーナルで掲載されました。 ・Masahito Hosono, Takuma Ishigaki, Naoya Ikeda, Ryotaro Ishikawa,Yuki Nishiguchi, and Katsuyoshi Mizukami(2023). Development of a training program on the Metacognitive Training Japanese version (MCT-J) and verification of its usefulness, Synergy of Arts and Sciences 27(2), 103-113. |
---|
研究3:MCT-J-RS(レーティングスケール)の開発 | この研究では、MCT-Jトレーナーのスキルを客観的に把握するための尺度開発を行なっています。 |
---|
研究4:大学における合理的配慮の現状と課題〜合理的配慮を踏まえたシラバスの検討〜 | この研究では、大学における合理的配慮の現状と課題について考察を加えます。合理的配慮を検討する上で、シラバスに示される情報が重要だと考え、合理的配慮を踏まえたシラバス作りに必要な要因についての検討を行っています。 本研究は、次の学術集会で発表されました。 ・細野正人・田川菜月・中津真美・坂口菊恵・石垣琢麿(2023). 合理的配慮を踏まえたシラバス作りに関する予備的検討, AHEAD JAPAN CONFERENCE2023, 立命館大学茨木キャンパス(大阪府). |
---|
研究5:日本におけるキャンパス・ソーシャルワーカー(CSWr)の必要性に関する研究 | この研究では、大学におけるキャンパス・ソーシャルワークの必要性及び強みに関する調査を実施しています。 本研究は、次の学会で発表されました。 ・細野正人・狩野俊介・中澤未美子・西口雄基(2023).日本におけるキャンパス・ソーシャルワーカー(CSWr)の存在, 第58回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第22回日本精神保健福祉士学会学術集会, 愛媛県民文化会館(愛媛県).
|
---|
研究6:Case study in the College of Arts and Sciences, The University of Tokyo | This study is a case study of reasonable accommodation in the College of Art and Sciences at the University of Tokyo. Study1:Exampl of consideration for a blind university student 本研究は、次の学会で発表されました。 ・Masahito HOSONO・Naoko YOSHIDA・Mami NAKATSU・Takuma ISHIGAKI(2023). Reasonable Accommodation for Blind Students in Japan: A Case Study, IFSW ASIA PACIFIC SOCIAL WORK CONFERENCE2023, Waterfront Cebu City Hotel and Casino(Philippines. Cebu). |
---|